American Rock


  
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   アメリカン・ロック系のアルバムを
   選んでみました。

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album

        artist  /  title        <寸 評>

Aerosmith / Parmanent Vacation

1987年作品。エアロスミスのオリジナル・スタジオ・アルバム9作目で、復活作としては第2弾にあたる本作は、ルーズでワイルドなエアロならではのグルーヴ感を保ちつつ、ソングライターにデズモンド・チャイルド、プロデューサーには、ブルース・フェアバーンを起用し、'70年代のエアロスミスには無かったキャッチャーでモダンなサウンドになっている.。一時期低迷した彼らが再び王者として君臨する原動力となった作品である。
お薦め曲は「ハーツ・ダン・タイム」、「マジック・タッチ」、「ラグ・ドール」、「デュード」、「エンジェル」。


Alcatrazz / No Parole From Rock 'N' Roll

1983年作品。スティーラーに在籍していた若きギタリスト、イングヴェイ・J・マルムスティーンを獲得して制作されたアルカトラスの1st。グラハムが得意とする熱唱スタイルで、イングヴェイがテクニックというテクニックを駆使し、それを水晶の如きメロディに乗せている。しかも天才的ともいえる速弾きは、細かい計算の上に成立したメロディでマシンガンの連射のように感性をえぐっていくようです。もちろん名盤!ギターがスティーヴ・ヴァイにチェンジした2ndも素晴らしい作品といえます。
お薦め曲は「アイランド・イン・ザ・サン」、「ジェット・トゥ・ジェット」、「ヒロシマ・モナムール」。


Balance / Balance

1981年作品。当時、日本でも邦題名が「ブレイキング・アウェイ」と題されLPも発売されたトリオ編成のバンド、バランスの1st。スタジオ系セッション・ミュージシャンの実力派が集まっているだけに流石にセンス、パワー、テクニックは申し分ない。手堅い演奏とくせのない歌、厚いコーラスときれいなキーボード、適度に響くボブ・キューリックのギターは、心地よいお洒落なハード・ポップ・AORサウンドを聴かせてくれる。ハッキリ言って、売れ線ねらいの産業ロックといえるが、曲自体は粒揃いで捨て曲なしの好盤に仕上がっている。現在、本作は彼らが’82年に発表した2nd「In For The Count」(日本未発売)とカップリングでCD化されています。これはお買い得!
お薦め曲は「I'm Through Loving You」、「Breaking Away」、「Fly Through The Night」、
「American Dreams」。


Cheap Trick / In Color

1977年作品。「蒼ざめたハイウェイ」と題されたチープ・トリックの2nd。ポップでキャッチーでコンパクトな作品に仕上がっている本作は、初期のチープ・トリックの代表作です。バンドはラジオを意識した軽い音作りに長らく不満を持っていたが、リック・ニールセンのソングライティングの素晴らしさが、遺憾なく発揮され、パワー・ポップの決定盤的アルバムといえます。デジタル・リマスター盤で発売されたCDには、5曲のボーナス・トラック入り、そのうち4曲は未発表ヴァージョンということでファンにとっては、嬉しい限りでしょう。
お薦め曲は「ハロー・ゼア」、「甘い罠」、「今夜は帰さない」、「カモン・カモン」。


Cobra / First Strike

1983年作品。後にサバイバーに加入することになるヴォーカルのジミー・ジェームソン、
そしてエイジアに加入することになるギターのマンディ・メイヤーが在籍したコブラ唯一の作品。日本発売も無く、全くといっていいほど無名なバンドであったが、本作は、しっかりしたメロディで、爽快なアメリカン・ハード・ロック・サウンドに仕上がっている。現在、マンディ・メイヤーはスイスのバンド、ゴットハードに在籍。本作に収録されているナンバーをカヴァーしている。
お薦め曲は「Only You Can Rock Me」、「Danger Zone」、「Looking At You」。


Dream Theater / Images And Words

1992年作品。ヴォーカルがジェイムズ・ラブリエに代わり3年ぶりに発表されたドリーム・シアターの2nd。このアルバムでは彼らの音楽の代表的な2つの分子である”剛”と”柔”が、お互いに激しく主張しながら、一方では美しく調和する流れを作り出している。インストゥルメンタル・パートも充実ぶりを見せつけ、あまりにも”プログレぶり”に泣けてくる程です。あらゆる要素が美学のレベルで、構築されている名盤といえます。
お薦め曲は「プル・ミー・アンダー」、「アナザー・デイ」、「サラウンデッド」、「メトロポリス」。


Ethos / Ardour

1975年作品。'70年代半ばにアメリカで活躍し、KISSの前座を務めたことで知られるイーソスの1st。当時、日本でも発売された本作(邦題名「熱情(アーダー)」)は、音抜けの良さとテクニカルな演奏、そしてふんだんに使用されたメロトロンによって、アメリカン・プログレッシヴ・ロック屈指の作品として高い評価を受けている。目を閉じれば、アメリカの雄大な風景が浮かんでくるようなスケールの大きさと、みずみずしいメロディ・ラインが魅力的である。特にアコースティック・ギターの使い方が、うまくアレンジも隅々まで眼が行き届いているのが印象的。尚、2nd「Open Up」は、本作よりも完成度が高いとされているが、CD化されていないため、未だ聴けぬ幻の作品となっている。是非!CD化を望む!!
お薦め曲は「スペース・ブラザーズ」、「アトランティーアンス」、「ロング・ダンサー」


Foreigner / Head Games

1979年作品。英米混血グループとしてスタートしたフォリナーの3作目。一般的にはデビュー作「栄光の旅立ち」や世界的大ヒットを記録した4作目「4」あたりが名盤と呼ばれているが、私としては彼らの作品の中で最もハードにまとまった本作こそが代表作であると信じている。メンバーがエド・ガリアルディからリック・ウィルスに代わり発表しれた本作は、クイーンを手掛けたロイ・トーマス・ベイカーをプロデュースに起用し、サウンド面の強化を図ったことが見事に成功している。ルー・グラムのヴォーカルがエモーショルで素晴らしく、またドラムの音がタイトでカッコいい!
お薦め曲は「ダーティ・ホワイト・ボーイ」、「女たち」、「反逆の夜」、「ヘッド・ゲームス」、「灰色の別れ」。


Giuffria / Silk+Steel

1986年作品。元Angel のグレッグ・ジェフリア<Key>が始動させたメロディアス・ハード・ロック・バンドの2作目。1st の「Giuffria」(邦題名「美伝説」)よりも楽曲の幅が広がり、哀愁を帯びたメロディ・ラインやドラマティックなアレンジも素晴らしく、非常にスケールの大きなハード・ロック・アルバムに仕上がっている。どの曲でもグレッグのキーボードが印象的で、彼の美的センスが見事に表現された作品といえよう。メロディアス・ハード・ロック・ファンは必聴盤である。尚、現在国内盤は廃盤となっているが、2000年に1曲ボーナス・トラックが追加されフランス盤で再発されている。
お薦め曲は「No Escape」、「Love You Forever」、「Change Of Heart」、「Lethal Lover」。


Hirsh Gardner / Wasteland For Broken Hearts

2002年作品。'70年代後期、彗星の如く現れたグループ、ニュー・イングランドのヴォーカル兼ドラマーとして知られるハーシュ・ガードナーの初のソロ・アルバム。スリリングなサウンドに乗った甘く切ないメロディは、往年のニュー・イングランドを彷彿させ、ファンには堪えられない1枚となっている。加えて伸びのあるガードナーのヴォーカルが誘うドラマティックな世界は現在のシンフォニック・ハードの源泉を見るようでもある。本作にはメロトロンをはじめ、ニュー・イングランドのメンバーをフィーチャーしたドラマティックな曲など聴きどころは多く、美意識をくすぐるメロディとポップ・センスによって貫かれた素晴らしい作品といえる。ソングライティングのセンスの良さ、アレンジ能力の素晴らしさは、やはり群を抜いている。お薦め曲は「ウェストランド・フォー・ブロークン・ハーツ」、「ドント・ユー・スティール」、「シー・イズ・ラヴ」、「ネヴァー・ラヴ」、「モア・ザン・ユール・エヴァー・ノウ」。


Impellitteri / Stand In Line

1988年作品。インペリテリの1st フルレンス・アルバム。世界一速く弾くギタリストとしてギター・キッズに大きな衝撃を与えたクリス・インペリテリのスーパー・ギター・テクニックとグラハム・ボネットのヴォーカルが絡む力作である。「シンス・ユー・ビン・ゴーン」など2曲もレインボー関係の曲が収録されいるのは、ちょっとレインボーを意識し過ぎといえるが、全体的にミドルテンポの曲が多く、ネオ・クラシカル系と呼ばれるクリスのギター・プレイが堪能出きる作品に仕上がっている。
お薦め曲は「スタンド・イン・ライン」、「シークレット・ラヴァー」、「オーヴァー・ザ・レインボー」。


Jeff Paris / Wired Up

1987年作品。数多くのアーティストに楽曲を提供しているジェフ・パリスの2nd。内容的にも、かなりクオリティの高いハード・ポップ・サウンドに仕上がっている。楽曲も充実しており、メロディアスなアメリカン・ハード・ロックが好きな方には必聴盤といえる。しかし、本作は日本発売はされておらず、また現在、輸入盤も廃盤となっているため、私の貴重なコレクションの1枚となっています。
お薦め曲は「I Can't Let Go」、「A Matter Of Time」、「Cryin'」。


Jefferson Starship / Freedom At Point Zero

1979年作品。ジェファーソン・スターシップのオリジナル・スタジオ・アルバム5作目。完全に男世帯だった唯一のアルバムであることから、本作は広がりと厚みのあるハーモニーで、一段とたくましく、これまでにない圧倒的なリズムで、雄々しいロックン・ロールの面を押し出し、ハード・ロック・ファンの心をつかんだ作品といえるでしょう。
お薦め曲は「ジェーン」、「ライトニング・ローズ」、「アウェイクニング」、「フリーダム・ポイント・ゼロ」。


Joshua / The Hand Is Quicker Than The Eye

1984年作品。邦題名が「施風」と題されたジョシュアの1st。タイトルからしてジョシュア・ペラヒアの速弾きを連想させるものでしたが、ファンはその速弾きよりも、心の琴線を優雅に刺激し続けるメロディ・ラインの美しさに酔いしれた作品といえるでしょう。また、本作は、’80年代の古き良きL.A.の空気が渦巻いています。
代表曲は「Falling Again」、「November Is Going Away」、「Broken Dream」。


Journey / Frontiers

1983年作品。ジャーニーのオリジナル・スタジオ・アルバム8作目。全世界で800万枚を超えるセールスを記録し大ヒットした前作「エスケイプ」が、代表作と思われがちですが、更にハードに進化した本作こそが、ニール・ショーンが目指したジャーニーのサウンドであると共に、彼らの代表作であると私は断言します。暖かいヴォーカルと透明感溢れるキーボードにハードなギターが必要充分なエッヂを与えるジャーニー・ミュージックがヒット・シングル以外にもアルバム全編に亘って素晴らしい完成度を誇っているといえます。
お薦め曲は「セパレイト・ウェイズ」、「時への誓い」、「限りなき世界」。


Kansas / Leftoverture

1976年作品。邦題名「永遠の序曲」と題されたカンサスの4作目。アメリカン・プログレッシブ・ロックの名作です。ハードかつファンタジックな感覚で迫るサウンドはまさに強力。感情的な展開を見せながらも、歌メロが覚えやすく印象的です。次作の「暗黒への曳航」も名盤ですが、私はスティーヴ・モーズが参加した「イン・ザ・スピリット・オブ・シングス」がお気に入りとなっています。
お薦め曲は「伝承」、「壁」、「超大作」。


King Kobra / Thrill Of A Lifetime

1986年作品。邦題名が「街角のスリル」と題されたキング・コブラの2nd。名曲”レディ・トゥ・ストライク”や”ハンガー”が収められているデビュー作が隠れた名盤といわれていますが、個人的には当時、ポップな仕上がりで、あまり評価されなかった本作の方が、私のお気に入りとなっています。全体的にモダン化したサウンドは、楽曲の面でも充実しており、単なるポップ・アルバムとして片付けられるには、非常に惜しい作品である。
お薦め曲は「セカンド・タイム・アラウンド」、「街角のスリル」、「アイアン・イーグル(ネヴァー・セイ・ダイ)」、「オヴァーナイト・センセーション」。


Le Roux / So Fired Up

1983年作品。ル・ルーの5作目でラスト作。後にTOTOのヴォーカルを務めることになるファーギー・フレデリクセンがTRILLION脱退後に加入し、ル・ルーで残した唯一のアルバム。彼らの最高傑作であり、ポップで叙情的なメロディに溢れたロック・ナンバーが聴きたい方は必聴である。’80年代前半には、この手の重厚で叙情的な産業ロック・スタイルの隠れた名盤が多く存在したが本作は、その中でも屈指の1枚といえる。
お薦め曲は「ソー・ファイアード・アップ」、「ライフライン」、「キャリーズ・ゴーン」、「ターニング・ポイント」。


Leviathan / Leviathan

1974年作品。クリムゾン級のメロトロンの洪水という宣伝文句が使われるアメリカ出身のグループ、レヴィアサン唯一の作品。メロトロンの使用は確かに多く、叙情的な演奏は英国プログレからの影響も感じられる。作品としての構成力もしっかりしており、メロトロンのソフトなパート、ヘヴィなギター・ワークの使い分けにより、大海のうねりにも似た重厚な世界が展開されている。
お薦め曲は「Arabesque」、「Angela」、「Endless Dream」。


Lion / Dangerous Attraction

1987年作品。元タイタンのヴォーカリストだったカル・スワンがアメリカに渡り結成したバンドで、スコッティ・ブラザーズなるインディーズ・レーベルと契約し、制作された1stフルレンス・アルバム。かなりの劣悪な条件で制作されたようだが、それを感じさせない迫力と緊張感に満ち溢れており、ブリティッシュの嵩高さが、LAの華やかさと見事に融合した素晴らしい作品に仕上がっている。
お薦め曲は「フェイトル・アトラクション」、「ネバー・サレンダー」、「パワー・ラヴ」。


Liquid Tension Experiment / 2

1999年作品。ドリーム・シアターのジョン・ペトルーシとマーク・ポートノイが業界で最も評価の高いトニー・レヴィン(b)、そしてこれがきっかけで後にドリーム・シアターに加入するジョーダン・ルーデスと組んだプロジェクト、リキッド・テンション・エクスペリメントの2nd。サウンドはドリーム・シアターと酷似性を有しているが、さらなる深遠な創造力、静かな表現性とラウドな逞しさの絶妙なバランス、そして何といっても際立ったメロデ・ラインが確立され、比類無き完成度を誇る作品となっています。
お薦め曲は「アシッド・レイン」、「アナザー・ディメンジョン」、「ホェン・ザ・ウォーター・ブレイクス」、「アワーグラス」。


Mastedon / Lofcaudio

1990年作品。元カンサスのヴォーカリストだったジョン・エレファンテがクリスチャン・メタル系のミュージシャンを集めて発表した「It's a Jungle Out There」に続く第2弾。エレファンテ兄弟が全曲手掛け、メタル寄りながらも透明感溢れる内容となっています。パワフルでスピード感のあるリズムに、ハイトーンでメリハリの効いたボーカル、それに楽曲の仕上がりが素晴らしくメロディーもアレンジも完璧 !
お薦め曲は「HOLIEST ONE」、「THIEF THE NIGHT」、「IT IS DONE」。


Montrose / Montrose

1973年作品。邦題名が「ハード★ショック!」と題されたモントローズの1st。後にVan Halenへ加入するサミー・ヘイガーがいたことで有名ですが、本作は、とにかくエネルギッシュで爽快なアルバムです。余計なモノは何もないというストレートさ、そしてヘヴィなリズムと共存する疾走感が、聴いていて心地好いのである。2ndの「ペイパー・マネー」もおすすめ。
お薦め曲は「ロック・ザ・ネイション」、「バッド・モーター・スクーター」、「ロック・キャンディ」。


Network / Nightwork

1978年作品。ニューヨーク出身、ツイン・ギターにキーボード、パーカッションまで擁した7人組、ネットワークの2nd。前作からシンガーが交代し、元々はダブル・キーボードだったところをキーボーディストのひとりがギターに転向したことで、ツイン・ギターとなり、よりハードなサウンドに仕上がった本作は、ファーストからの全くのサウンド・チェンジを図り、透明感あるメロディアス・ハード・サウンドを築き上げている。キーボードをうまく使ったセンス溢れるサウンド創りが特徴で、アメリカン・プログレッシヴ・ハード・ロックの中でもハイ・レヴェルな作品である。
お薦め曲は「アイ・オールレディ・プレイド・イット」、「ソー・ソー・グッド」。


Night Ranger / Dawn Patrol

1982年作品。アナログ盤で発売された当時は、邦題名が「緊急指令N.R.」と題されたナイト・レンジャーの1st。ブラッドとジェフの強力なツイン・リードによりエネルギッシュでドライヴ感溢れるアメリカン・ハード・ロック・サウンドに仕上がっている。ケリーとジャックという2人のリード・シンガーを要し、ヴォーカルの面でも変化を与えていることが、このバンドの素晴らしい特徴といえるでしょう。余談だが当時、シブがき隊の「Zokkon命(ラヴ)」のイントロを聴く度に本作1曲目収録の「炎の彼方」を思い浮かべたロック・ファンは多いハズ...お薦め曲は「炎の彼方」、「シング・ミー・アウェイ」。


Orion The Hunter / Orion The Hunter

1984年作品。邦題名が「星空のハンター」と題されたオリオン・ザ・ハンター唯一のアルバム。元ボストンのメンバーだったバリー・グドローが中心となり結成されたこのグループは、ボストンほど、ドラマティックではないが、ツボを押さえたメロディーは、聴き手の心を引きつけ、非常に完成度の高い作品となっています。国内では未だCD化されていませんが、最近、米盤でCD化されました。ちなみに同じくバリーが結成したグループ、RTZは国内でCD化されており、こちらはトム・ショルツ抜きのボストンといった感じのサウンドに仕上がっています。興味のある方は、こちらも一聴を!
お薦め曲は「オール・ゾーズ・イヤーズ」、「君のいない朝」、「トゥー・マッチ・イン・ラヴ」、「ジョアンヌ」。


Pavlov’s Dog / Pamperred Menial

1975年作品。邦題名が「禁じられた掟」と題されたパブロフス・ドッグの1st。山羊の鳴き声のようなヴィブラートで強烈な個性を放っているデヴィッド・サーカンプ<vo、g>のヴォーカルはガラスの破片のように鋭い衝撃を与え、また彼の作り出す曲の神経質で陰うつな感触は、アメリカにおいて非常に異質な存在である。本家英国のどのプログレ・バンドにも似ていなく、どこかクールな叙情性を持つ異形・異端のサウンドを収録した本作は、彼の個性が最も開花した作品といえる。
お薦め曲は「ジュリア」、「晩秋」。


Pavlov’s Dog 2000 / End Of The World

1995年作品。パブロフス・ドッグのオリジナル・ドラマーながら1stアルバム「Pampered Menial」発表後に脱退したマイク・サフロンがヴォーカルとドラムを兼任するバンドの唯一の作品(5曲入りミニ・アルバムCD)。彼以外にパブロフス・ドック関係者はいないが、サフロンは、本作で本家の個性派シンガー、デヴィッド・サーカンプ風にヴィブラートを掛けたヴォーカルを披露してパブロフス・ドックらしさを演出している。しかも音楽性は哀愁に満ち溢れており、本家よりは、ず〜っとビート感が強く、質の高いハード・ポップといった感じである。本家が知ったら訴えられる作品であろうが、ファンとしては、騙されて買ったとしても充分満足できる内容となっている。
お薦め曲は「Motorcycle」、「End Of The World」、「Tawny」。


Queensryche / Operation : Mindcrime

1988年作品。クイーンズライチの3作目。本作は、コンセプト・アルバムの最高傑作と1つと言えるが、SEを駆使した緻密な構成と鋭利なサウンドで緊張感に満ちた全体の流れを作り出すと同時に個々の楽曲がストーリーを別にしても充分な能力を備えた良質のナンバー揃っていたことでHM/HR史上に残る名盤といえます。
お薦め曲は「レヴォリューション・コーリング」、「スウィート・シスター・メアリー」、「アイズ・オブ・ア・ストレンジャー」。


Ram Jam / Ram Jam

1977年作品。ニューヨーク出身の4人組、ラム・ジャムの1st。ノリの良いストレートなハード・ロックを聴かせるこのグループのサウンドは、コンクリートの中で培われたヘヴィ・メタルな部分と土の匂いのするちょっとドロッとした部分がうまく調合されたというべきもの。時折、ハッとするほどスリリングなプレイを聴かせるビル・バートレットのギターは実に聴き応えがある。曲作りも豊かで聴き手を飽きさせない内容となっている。日本では「ブラック・ベティ」というタイトルで発売された本作は、彼らの代表作といえるが、'78年の2nd「若き牡羊の肖像」も出来は良い。尚、彼らが残した2枚のアルバムは、1stと2ndのカップリングで、'90年にドイツ盤でCD化された。(但し日本では未CD化)
お薦め曲は「ブラック・ベティ」、「オール・フォーザ・ラブ・オブ・ロックン・ロール」、「ハイ・ステッピン」、「ヘイ・ブギ・ウーマン」、「トゥ・バッド・オン・ユア・バースデイ」。


Riot / Thundersteel

1988年作品。’70年代 ”Warrior”、”Narita”という不朽の名曲を残したライオットのオリジナル・スタジオ・アルバム6作目。これまでの5作品に比べるとスピードとパワーを全面に押し出して疾走感溢れるサウンドに仕上がっています。しかも聴かせるメロディーがあちこちにちりばめており、”激”と”哀”を見事に演出した作品といえます。ガイ以上に強力なハイ・トーンを武器にするトニーをメインに据えての超メタリックなサウンドに当時、ファンはド肝を抜かれ、狂喜しました。
お薦め曲は「サンダースティール」、「フライト・オブ・ザ・ウォリアー」、「ブラッドストリーツ」。


Shadow Gallery / Shadow Gallery

1992年作品。シャドウ・ギャラリーの1st。フルート等を導入するなど、’70年代プログレからの影響を基盤としているが、その音作りはあくまでもモダンな感性に包まれている。叙情味溢れるメロディを生み出す感性は、本作において遺憾なく発揮されており、思わず息を呑むナンバーや、名曲として名高いラストは17分を越える大作なれど、アルバム中最も秀でた構成を誇る上、リフレインのあまりの美しさには陶酔させられます。
お薦め曲は「ザ・ダンス・オヴ・フールズ」、「セイ・グッバイ・トゥ・モーニング」、「ザ・クィーン・オヴ・ザ・シティ・オヴ・アイス」。


Sir Lord Baltimore / Kingdom Come

1970年作品。幻のアメリカン・ハード・ロック・バンド、サー・ロード・バルティモアの1st。ガサツで、いかにも大陸的な力技的骨太ハード・ドライヴィング・ヘヴィ・サウンドを聴かせてくれます。トリオ編成で見事なまでにラウド&スピーディなハード・ロック・サウンドを確立させている名盤であり、これほどまでにヘヴィネスで痛快なロックは危険な香りが溢れて出て、痛快無比!ちなみに組曲が収録されている2nd「Sir Lord Baltimore」も素晴らしい。
お薦め曲は「Aint'Got Hung On You」、「Hard Rain Fallin'」、「Lake Isle Of Innersfree」。


Stardrive / Stardrive

1974年作品。自らシンセサイザー研究家(開発者)を名乗るロバート・メイスンとそのバンド、スタードライヴが残した2nd(オール・インスト・アルバム)である。当然ながら全篇メイスンのシンセをフィーチャーし、軽快で歯切れの良いサウンドを展開している。全体にファンキーで荒っぽいサウンドが目立ち、シンセの音色も一本調子ながら、この酔うな乗りのよいシンセ、ゴリ押しロックは昨今めったにお目にかかれない。
お薦め曲は「ファンカセンションズ」、「パルサー」。


Spys / Spys

1982年作品。元FOREIGNERのエド・ガリアルディ(b)とアル・グリーンウッド(key)が在籍したニューヨーク出身AOR/ハードポップバンドの1st。重厚なキーボード&コーラスハーモニーの中を、哀愁のメロディが流れるという産業ロックの王道を体現している。とにかくキーボードの使い方が上手い。ただ分厚いだけでなく、様々な音でアプローチしており、この手のバンドの中でありがちな、単調で人工的なアレンジにはなっていない。メロディ派のリスナーは必須の一枚といえるでしょう。尚、本作は現在、彼らが残した2枚のアルバム、1stと2nd(1983)のカップリングでCD化されており、お得盤となっている。(但し日本では未CD化である)
お薦め曲は「Ice Age」、「Don't Say Goodbye」、「Hold On (When You Feel You're Falling)」。


Survivor / Vital Signs

1984年作品。ヴォーカルがジミー・ジェームソンにチェンジして発表されたサバイバーの5作目。サバイバーといえばロッキーの主題歌となった”Eye Of The Tiger”、”Burning Heart”が有名であるが、アルバムとしては本作が一番の出来といえるでしょう。ポップで、シンセサイザーを多用したサウンドは、もろに産業ロックと呼ばれ、ハード・ロック・ファンからは敬遠されがちですが、私は非常に完成度の高い作品だと思っています。なんといっても楽曲が素晴らしい。
お薦め曲は「キャント・ホールド・バック」、「ハイ・オン・ユー」、「ザ・サーチ・イズ・オーバー」。


T.K.O. / Let It Roll

1979年作品。T.K.O.の1st。シンプルでストレートなサウンドであるが、曲自体、色彩やかな輝きを持ち、スカッと爽快なハード・ロック・アルバムに仕上がっている。特にリック・アピスとトニー・ボルコの絶妙のコンビネーション(ツイン・リードあるいはギターとキーボードの絡み)は、TKOサウンドにおけるポイントとなっており、ひとつの華麗な美学を作り出していると言っていい。ストレートなハード・ロック、そしてポップな方向性を狙ったふたつのパターンが存在し、ドラマティックな構成で表現された隠れた名盤といえる。2008年米盤で待望のCD化! 尚、CDにはボーナス・トラックとして’78年のライヴ音源が7トラック(イントロ&エンディングのナレーションを含めると9トラック)が収録されている。
お薦め曲は「レット・イット・ロール」、「栄光への出発」、「オンリー・ラヴ」、「ガター・ボーイ」、「バッド・シスター」。


Tony Macalpine / Maximum Security

1987年作品。ギタリスト、トニーマカパインの2nd。ギターはもちろん、ベースやキーボードもすべてひとりでこなしており、マルチ・プレイヤーぶりを発揮しています。1stと同様に全曲インストゥルメンタルで構成され、クラシカルでどこかジャジィ、メロディアスなスタイルがベースになり、曲によってはその3つの要素のどれかが濃くなったり薄くなったりの変幻自在のスタイルを見せています。もちろん1stの「エッジ・オブ・インサニティ」もおすすめです。お薦め曲は「ティアーズ・オブ・サハラ」、「キングス・カップ」、「セイクレッド・ワンダー」。


Trillion / Trillion

1978年作品。後にLE ROUX、TOTOに加入する強力ハイ・トーン・シンガーのデニス・フレデリクセンが在籍したことで知られるトリリオンの1st(当時の邦題名は「氷牙」)。確かなテクニックに裏打ちされたプレイを随所に配し、キャッチーなメロディを基本としながらも、ブ厚いコーラス・ワーク、スペイシーなギターのトーン、センス抜群のキーボード・プレイ、そしてどこかドラマ性を感じさせる楽曲に変拍子を含む凝ったアレンジは、見事というしかない。バンドは短命だったが、並みいるアメリカン・プログレ・ハード・ロック・バンドの中でもその洗練されたサウンドはピカイチであった。尚、シンガーが代わった次作「クリアー・アプローチ」でも、その名の通りクリアーで洗練された楽曲が聴ける。
お薦め曲は「ホールド・オン」、「ギブ・ミー・ユア・マネー、ハニー」、「ハンド・イット・トゥ・ウインド」、「チャイルド・アポン・ジ・アース」。


TOTO / The Seventh One

1988年作品。TOTOの7作目。’82年度グラミー賞7部門を独占した4作目の「TOTO W〜聖なる剣」が最高傑作といわれていますが、個人的には本作と5作目「アイソレーション」が特にお気に入り。本作は、ソウル風味をきかせ快適なリズムで楽しませる1曲目から始まり、以降バラードはもちろん豪快なロックやキャッチーなメロディが光る曲が多く収録され、ドラマチックなエンディング曲(ボーナス・トラックは除く)で幕を閉じるまで素晴らしいTOTOサウンドを満喫できる作品に仕上がっている。デビュー作「宇宙の騎士」、3作目の「ターン・バック」も捨て難い!
お薦め曲は「パメラ」、「ストップ・ラヴィング・ユー」、「ストレイト・フォー・ザ・ハート」、「オンリー・ザ・チルドレン」、「ホーム・オブ・ザ・ブレイヴ」。


Touch / Touch

1979年作品。タッチの1st。キャッチーな曲が殆どながらドラマティックさを伴わせる作品となっています。印象的な曲が多く、どこを切ってもヒットしそうな佳曲ばかりといった感じである。’98年には、’81年に制作したが、結局当時お蔵入りとなってしまった”幻のセカンド”が本作とカップリングで、遂にCD化され、ファンを喜ばせたことは記憶に新しい。ようやく日の目を見ることになったこの2ndも非常にGood!
お薦め曲は「ドント・ユー・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」、「ブラック・スター」、「イエス(ユー・ニード・トゥ・ロックン・ロール)」。


Van Halen / Van Halen

1978年作品。現在まで数々の大ヒット・アルバムを出しているヴァン・ヘイレンの1st。弱冠21才のエディ・ヴァン・ヘイレンが数々の新テクニックを持って、新たなるギター・ヒーローの時代の幕開けを告げた名作。サミー・ヘイガーが加入してからの「F@U#C%K」も完成度が高く、甲乙付け難い作品といえる。
お薦め曲は「悪魔のハイウェイ」、「ユー・リアリー・ガット・ミー」、「叶わぬ賭け」。


Y & T / Earthshaker

1981年作品。バンド名をYesterday And TodayからY&Tと改名して発表した最初のアルバム。デイヴ・メニケッティの緩急自在のギターで表現された本作は、ハード・ロックが内包する破壊力と美しさが絶妙に描かれている。過激さとエモーショナルな感性を同居させた独特なサウンドといえるでしょう。
お薦め曲は「レスキュー・ミー」、「ハリケーン」、アイ・ビリーヴ・イン・ユー」。


上記はアメリカ産のものを選んでみましたが、まだまだ紹介しきれない素晴らしいアメリカン作品があります。
Sugarloaf、Grand Funk Railroad、Iron Butterfly、Blue Oyster Cult、Angel、Starz、Ram Jam、Metallica、
Dokken、Ratt、Mr.Big、Motley Crue、Quiet Riot、House Of Lords、Twised Sister、Great White、Winger、
Q5、Stone Fury、World Trade、Kingdom Come、Icon、Lillian Axe、Magellan、Steve Morse Band、RTZ、
Bad English、American Tears、Morningstar、Arc Angel 等々、今思い浮かぶだけでも私のお気に入り作品
となっているグループは、こんなにあります。思い出せないグループもまだまだ沢山あるぞーっ!
また、気が向いた時、紹介する予定です。お楽しみに!


という訳ですが、ここでもう2作品紹介!
アメリカン・ロックではないけど、カナダ出身ということで、ついでに紹介しておきます。

Rush / Hold Your Fire

1987年作品。ラッシュのオリジナル・スタジオ・アルバム12作目。人間味溢れるケディ・リーの声が円熟の境地に達した本作は、ラッシュのひとつの本質を表した名作といえるでしょう。全くスキのない演奏、適確なアレンジ、全てがケディの歌のためにあり、ポジティヴに、感動的にメロディが歌い上げられている。もちろん初期の代表作「西暦2112」も名盤である。
お薦め曲は「フォース・テン」、「プライム・ムーヴァー」、「ミッション」。


Honeymoon Suite / Honeymoon Suite

1984年作品。'80年代のカナダを代表するハード・ポップ・バンド、ハネムーン・スイートの1st。叙情的なメロディは、それほど顔を覗かせていないが、全体的には、あっさりしたライト感覚のポップ・ロックという感じで、湿り気のあるメロディのフックが、なんとも心地よい。ハード・ポップ・ファンは、是非聴いてもらいたい作品である。
お薦め曲は「ニュー・ガール・ナウ」、「バーニング・イン・ラヴ」、「ステイ・イン・ザ・ライト」、「ファニー・ビジネス」。




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